マチュピチュ村、滝と蝶を巡る最終日
なかなか厳しいホテルから外へ逃げ出し、二つの滝と蝶園、マチュピチュの山裾まで歩いた旅の最終日。
旅の最終日は、マチュピチュ村(アグアス・カリエンテス)の周辺を歩くことにした。というより、ほかに選択肢がなかった。
まず、泊まっていた3つ星ホテル「Flower’s House MachuPicchu」には文句を言わせてほしい。問題が一つではない。
最初はネット。各階にWi-Fiがあるのに、僕が泊まった5階だけない。ただ、4階と6階の電波は強く、パスワードも共通なので接続自体はできた。接続はできたのだが、ネットにはほぼつながらない。Googleのトップページを開くだけで30秒近くかかり、ほかのサイトはもう諦めたほうが早い。別の階のWi-Fiだからだめなのかと思い、フロントで「5階にWi-Fiがない」と伝えた。するとスタッフは、スマホのモバイル通信をいったん切ってから5階のWi-Fiを確認し始めた。ホテルの回線がどれだけひどいか、本人もよく知っているらしい。普段からWi-Fiではなく自分の通信を使っているわけだ。
次は冷たい水が出ないこと。お湯が出ないホテルなら何度も経験した。給湯器が壊れるのは、まあわかる。でも冷水がないのは初めてだ。昼間は手を洗うだけで、配管に残っていた冷たい水を使っていたため気づかなかった。夜、顔を洗おうとして初めて問題が発覚。蛇口を30秒ほど流すと、触れた手を反射的に引っ込めるくらい熱くなる。再びフロントへ行くと、これも事情は把握している様子だった。何かの修理で冷水の配管を日常的に止めているらしく、「10分で戻る」と言われた。実際、そのときは戻った。でも寝る前だけ。夜中にトイレへ起きたら、また冷水が消えていた。手を洗うなら、熱湯になる前に急ぐしかない。
最後は騒音。建物がかなり古く、窓がきちんと閉まらないので、防音という概念がほぼない。しかも駅に近いため、朝5時に始発列車の汽笛が鳴ったら睡眠終了。ただ、耳栓があったので多少は助かった。ここでは耳栓必須。
つまり、昼間ホテルにいるのは無理だった。ネットも水もまともに使えない場所で、どう休めというのか。本当なら部屋で一日だらだらしていたかもしれないが、こうなったら外へ出るしかない。行き先は前日のガイドに教えてもらった。ChatGPTにもいくつか候補を出してもらったが、ガイドから「行けるけど、歩いて片道3時間だよ。たぶん行きたくないと思う」と言われた。うん、それは行きたくない。
まず町の北東にある滝へ向かった。途中には露天のMachu Picchu Hot Springsがある。脇の山道から全体を見下ろせた。温泉なのかどうか少し不安になる水が、10平方メートルほどの小さなプールに引かれている。表面は見えるが、底は見えない。タオルの貸し出しもなく、自分で持ってくる必要がある。温泉が本当に好きな人でなければ、無理に入らなくてもいいと思う。
そこから山を10分ほど登ると、最初の滝、Cataratas de Aguas Calientesに着いた。こちらはきちんと整備された観光地で、温泉と同じ入口から入り、入場料は現金でもカードでも払える。山道には木のベンチが何度も現れるので、休みながら楽に登れた。
いったん下山し、二つ目のAllcamayo Waterfallsへ。こちらは本当に整備されていない。まず15分ほど、でこぼこした石だらけの急坂を登り、小さな休憩所のような売店へ向かう。途中に座れる場所は一つもなく、休みたければ立ったまま脚に手をつくしかない。たった15分なのに、着いた時点ですでにかなり疲れた。売店でチケットを買う。ここも現金とカードの両方が使えた。さらに5分ほど進むと、最初の「滝」に到着。見た瞬間の感想は、これを滝と呼ぶのか……?
そこから10分もかからず、二つ目の滝へ。こっちはちゃんと滝らしい。
ほとんど手つかずの森なので、道はかなり歩きにくい。けが、特に足首をひねるのは絶対に避けたい。ここで動けなくなったら本当に大変だ。そして虫よけも強くおすすめする。道の途中から、正体不明の大きなハチのような虫がずっと僕についてきた。ミツバチなのかスズメバチなのかもわからない。滝までついてきて、帰り道も森を出る少し前まで一緒。怖すぎる。こんな同行者はいらないので、虫よけは持っていったほうがいい。
正直、よほどのハイキング好きでなければ、この二つ目の滝は行かなくてもいいと思う。最初の滝に比べて体力を使いすぎるわりに、見返りはそこまで大きくない。森から出たときには、服がほぼ汗でびしょびしょだった。
その後は、マチュピチュの山裾にある蝶園「Mariposario of Machu Picchu」まで歩いた。なぜ歩いたのかというと、この町では普通、車という選択肢がほぼないからだ。車は荷物の運搬や、観光客をマチュピチュへ運ぶバスなど、特別な用途に限られている。基本はどこへ行くにも徒歩。
蝶園ではたくさんの蝶を見られる。いろいろな種類がいるという説明だったが、訪れたときは特定の一種がかなり多かった。
最後の最後に、山の下からマチュピチュを見上げる、かなりぼんやりした一枚を撮った。
これで今回の旅は無事終了。